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令和8年7月26日(日)2026年度 第3回例会 会員症例発表・教育講演会 活動報告

令和8年7月26日、電気ビル共創館カンファレンスAにて、2026年度第3回日本臨床歯科学会福岡支部例会「デジタルセミナー」が開催された。

今回は、参加者50名、協賛企業8社のもと、近年急速に発展しているデジタルデンティストリーをテーマに、一般講演3題と教育講演1題が行われた。デジタル技術を診査・診断、外科、補綴、軟組織マネジメントへどのように活用するかについて、臨床に即した知見が共有された。

一般講演1では、医療法人きむら歯科医院の木村正人先生が、「歯肉縁下フィニッシュラインのためのデジタル印象の新基準―Visible & Dryを実現する0.5mmルール―」と題して講演された。

口腔内スキャナーによる歯肉縁下フィニッシュラインの印象採得について、視認性と乾燥状態を確保する「Visible & Dry」の重要性が解説された。フィニッシュライン周囲に0.5mm以上の水平的スペースを確保する基準とともに、圧排、止血、スキャンの実践的なポイントが提示された。

一般講演2では、菊池歯科矯正歯科医院の菊池大輔先生が、「前歯部審美領域における抜歯即時埋入の実践と新たな展開」と題して講演された。

前歯部審美領域における抜歯即時埋入について、適応症の選択、埋入ポジション、軟組織マネジメントなどの要点が整理された。また、最終アバットメントの即時装着や、AR技術とダイナミックナビゲーションを組み合わせた新たな手術支援システムが紹介された。

一般講演3では、医療法人社団オパール会オパールデンタルクリニックの下田徹先生が、「アバットメントは単なる補綴装置なのか?―デジタルで実現するOne Abutment–One Time Conceptと生体境界設計―」と題して講演された。

アバットメントを、インプラント周囲組織の安定性に関与する生体境界の構造体として捉える考え方が示された。デジタル設計、One Abutment–One Time Concept、経粘膜コンポーネントの安定化、軟組織マネジメントを統合した臨床戦略が提示された。

午後の教育講演では、恵比寿マルオ歯科の丸尾勝一郎先生が、「デジタルインプラント時代の補綴戦略〜ガイド・IOS・プロビジョナルをどう臨床に活かすか?〜」と題して登壇された。

臼歯部、前歯部、フルアーチの症例ごとに、最終補綴から逆算したインプラント治療計画の考え方が解説された。ガイドサージェリー、口腔内スキャナー、プロビジョナルを活用する際の有用性と限界を踏まえ、外科と補綴を一体化する重要性が示された。

講演の最後には、次代を担う若手歯科医師に向けた熱いメッセージをいただき、多くの若手にとって、これから進むべき道筋を示していただく貴重な機会となった。

今回の例会では、デジタル印象からインプラントの埋入計画、アバットメント設計、軟組織マネジメント、プロビジョナル、最終補綴に至るまで、デジタルワークフローを包括的に学ぶ機会となった。

デジタル技術は、治療工程を単に効率化するためのものではなく、診断、外科、補綴を結びつけ、治療の再現性と予知性を高めるための臨床基盤であることが、各講演を通じて改めて示された。

各講演後には活発な質疑応答と意見交換が行われ、参加者にとって明日からの臨床につながる多くの学びを得られる例会となった。最後に友成隆之副支部長より閉会の挨拶があり、盛会のうちに終了した。

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